あなた達に過失はないのか?

   戦前、軍部が日本を支配して居た時代、共産主義に対する恐怖と憎悪から、日本では多くの共産党員が、当然の人権を無視され、不当に逮捕され、命を落としたとか。

   時代は下って現代、原子力に対する恐怖と憎悪から、日本では多くの電力関係者が、当然の人権を無視され、強制起訴の対象とされつつある。

   しかし、刑事責任を問う場合の絶対の条件は、「疑わしきは被告人の利益に」である。

   耐用年数が50年程度の原発の稼働期間中に、1000年に一度の地震が発生し、更に、そのために発生した津波によって原発冷却のための全電源が失われ、しかも、他の冷却手段も機能せずにメルトダウンに至る、と言う自体を予測出来なかったことが、現場の状況に詳しいはずのない元会長に対して、刑事責任を問うことに疑いを指しはさむ理由を見つける余地が無い程の根拠になる、などとは、到底私には思われない。

   そもそも、東電元会長の強制起訴に快哉を叫ぶ人には責任はないのか。一貫して反原発を主張してきたのならともかく、事故後になって反原発を主張し出した人も少なくはあるまい。

   そのような、原発の危険性に気づけなかった人々に、過失はないのか?

   仮に東電の元会長が起訴相当であると言うのならば、このような人々にも過失はある。彼らは日本国の主権者なのだからその罪は軽くは無い筈である。

http://mainichi.jp/select/news/20140731k0000e040212000c.html